こんにちは、鍼灸師DM練習専門ガイド『ボイヤンシー』の佐野です。
潜行が上手くできない時に、イントラさんから「しっかり息をはききって」といわれて、しまうことありませんか?
自分では肺が空っぽになるまで吐いているつもりなのに、「もっと吐いて!」と言われると、「これ以上どうしろっていうの!?」と切ない気持ちになりますよね。
実はそれ、根性論ではなく、身体の「構造」に原因があるんです。
今回はそんな「息がはききれていない」問題の解消法について、解剖生理学の視点も踏まえながら、一緒に考えていきたいと思います。
肺への空気の出し入れは肺ではなく呼吸筋の仕事
息を吸って肺に空気を入れる、息をはいて肺から空気を出すのは、「肺」がやっているわけではありません。
肺はそれ自体では膨らんだりしぼんだりできるようになっておらず、肺の中に空気を出し入れしているのは、横隔膜や肋間筋(外肋間筋・内肋間筋)などの呼吸筋の働きです。
呼吸筋は呼吸をするための筋肉であると同時に、体を支えたり動かしたりする筋肉でもあります。
その為、肺に空気が入りやすい姿勢を取りながら、肺の空気をはききるというのは原理的にできません。
自分では一生懸命、肺の中の空気をはききっているつもりでも、ちょっとした姿勢の問題でインストラクターさんから「もっと、しっかり肺の空気をはききって」と指導を受けてしまうことになります。
また、自律神経の働きで無意識にはききりにくくするメカニズムもあるため、そういった体の仕組みを理解すると、潜行時に頑張らなくても息を吐ききれるようになります。
緊張すると肺の空気が吐き出しにくくなる
私たちの身体は、緊張(交感神経優位)すると、胸式呼吸になって肩が持ち上がって(いかり肩)しまします。
いかり肩の状態のままいくら息をはきだそうとしても、物理的に胸郭に空気をため込んだ状態が維持されてしまうので、息をはききることが出来ません。
口呼吸は胸式呼吸を誘発する
私達の身体は生理的に、鼻呼吸の時は腹式呼吸(横隔膜を使った呼吸)、口呼吸の時は胸式呼吸(肋間筋や肩回りの筋肉を使った呼吸)をするようにできています。
口で吸って口で吐くレギュレーターの呼吸は、脳にとっては『緊急事態(胸式呼吸)』のスイッチになりやすいんです。
水面でマスクをはめると鼻呼吸が出来なくなるので、陸上ではしっかり息をはける方でも、マスクをつけた瞬間に胸式呼吸に切り替わって、しかも、緊張してしまいやすい為、はききれなくなってしまいやすいのです。
インフレーターをあげようとしたときに肩が持ち上がる
BCDの空気をしっかり抜くには、体を垂直に近い姿勢にして、インフレーターホースをしっかりと上に上げる必要があります。
しかし、この時にインフレーターホースを持ち上げようと意識しすぎると肩が持ち上がってしまって、これが結局、肺に空気をため込みやすい姿勢になってしまいます。
どうすれば息を吐ききれるようになる?
これまでのことを踏まえると、どうすれば潜行時に息をはききることが出来るのかが見えてきます。
ここでは潜行時に息を吐ききれるようになるための練習法についてお伝えしたいと思います。
ボイヤンシー流:肩落ち潜行マスターへの3ステップ
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【陸上】 限界まで吐いて「肩がストンと落ちる」感覚を覚える。
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【陸上+マスク】 視界が狭いストレス下でも「肩落ち」を再現する。
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【水面+BCDパンパン】 沈まない安心感の中で「耳の横でホースを持ちつつ肩を落とす」姿勢を作る。
ステップ1:陸上で肩が落ちる感覚をつかもう
まずは地上で息をはききる練習をしていきましょう。限界まで息をはいてはいてはいてはいていくと、肩が落ちてきます。
現代人はストレスを受けて緊張している方が多いので、多かれ少なかれ日頃のストレスから緊張して胸式呼吸気味の方がほとんどです。
まずは地上で息をはききって、肩が落ちる(僧帽筋・呼吸補助筋の脱力)感覚を身につけます。
この感覚が身についたら今度は鼻をつまんで同じように肩が落ちるまで、息をはき切る練習をします。
ステップ2:マスクをつけて同じことが出来るように練習しよう
マスクをつけて同じように肩が落ちるまで息をはき切る練習もしましょう。地上での練習はここまでできれば十分です。
ステップ3:水面で実践しよう
地上ではできていても、水面に言った途端に緊張してしまうのは、本能的な反応なので水面でもリラックスする練習から始めましょう。
まずはマスクなしでBCDに多めに空気を入れ水面でぷかぷか浮いて力を抜きます。
ゆっくり呼吸をしながら、脱力できて来たら浮かんだまま肩の力が抜けて肩が落ちるまで息をはき切る練習をします。
ここまで出来たら、マスクをつけて同じように肩が落ちるまで息をはき切る練習をしていきましょう。
次にレギュレーターを咥えた状態でBCDには空気を入れたまま息をはき切る練習をします。
ここでも肩の力が抜けているのか?肩が落ちたのかを感じながら、肩が落ちるまではく練習をしましょう。
次はインフレーターホースを上に上げますが、排気ボタンは押さずに、肩が持ち上がらないぐらいの高さ(目安は耳の横ぐらい)までしか持ち上げないようにして息をはき切ってください。
ここまでの内容がしっかり出来ていれば、その姿勢のまま息をはき切ると肩落ちてきます。
ここまでできれば、完成です。
足がバタついている、ウエイトが足りないといった基本的なことに問題がなければ、あとは排気ボタンを押すだけで楽に潜行できます。
まとめ
潜行は「頑張って沈むもの」ではなく、「身体の緊張を解いて、自然に沈んでいくもの」です。
潜行が苦手な方は、私と一緒に潜行簡単と思えるまで思う存分、練習しましょう。西伊豆(獅子浜)で行うマンツーマンのスキルアップ・プラクティスをぜひご利用ください。

