こんにちは!西伊豆・獅子浜を拠点に活動している、練習専門ダイビングガイド『ボイヤンシー』の佐野です。
「ダイビングを上達したいけど、潜降・中性浮力・フィンワーク・水中姿勢、どれから順に練習していけばいいの!?」
この記事では、そんなお悩みを解消していきたいと思います。
私はこれまでたくさんの遠回りをしてきたので、みなさんには最短距離で上達してほしいと考えています。
そこで今回は、「練習できる環境がある人向け」と「ファンダイビングの中でしか練習できない人向け」の2つのパターンに分けて、効率的な練習の順番を解説します。
予め断っておきますが、「練習できる環境がある人向け」の方が圧倒的に上達は早いです。
すべての方が必ずしも練習にとことん付き合ってくれるダイビングショップとつながりがあるわけではないと思いますので、現実的な落としどころとして「ファンダイビングの中でしか練習できない人向け」のルートも用意しました。
ご自身の環境に合わせて参考にしてみてください。
1. 練習できる環境がある人向け(最短ルート)
当店のような「練習」を重要視してくれるショップとのつながりがある方は、以下の順番で練習していくと、最短距離で中級者レベルに到達しやすくなります。
【最短ルートの順番】 適正ウエイト ➔ 潜降・浮上 ➔ 水中姿勢 ➔ 中性浮力 ➔ フィンワーク
この順番で練習を組み立てていくと、ひとつ前のスキルが次のスキルの土台になるため、無駄なく非常に早く上達します。
家を建てるのと同じで、土台となる基礎をまず作ってから、だんだんと積み上げていくイメージです。
① 適正ウエイト
ドライスーツ・ウェットスーツそれぞれの条件ごとに、自分の適正ウエイトを知っていることで、いつも同じ感覚でのダイビングが可能になります。
ダイビングは体の感覚で浮力を感じて呼吸をコントロールするため、毎回重かったり軽かったりすると、いつまでたっても感覚が身につかず上達しません。
② 潜降・浮上
初心者のうちは、オーバーウエイト(重め)の方が潜降・浮上が簡単に感じられることも多いです。
しかし適正ウエイトの場合、特に潜降ではしっかりと器材から排気して、「息を吐く」ができていないと沈めません。
だからこそ、適正ウエイトで潜降・浮上がコントロールできるようになると、一番難しいとされる「浅い水深での浮力調整」が簡単になり、結果的に上達が早くなります。
何とか潜ればいいというレベルではなく、ある程度コントロールできるということは、その時点で「水深の調整を呼吸とBCDの操作だけで完結できている」ということでもあります。
③ 水中姿勢
水中姿勢は、「水平トリム(水面に対して体が水平になる姿勢)」が取れるかどうかが重要です。
これはざっくり言うと器材の重心位置で決まるため、水平トリムをとるのに適した器材やウエイト位置の調整ができていることが大切になります。
通常、初心者のうち(特に講習中)は垂直姿勢になりやすい重心位置にセットされているため、中上級者になっていくためには、重心位置を水平に近くなるよう調整しなおす必要があります。
水中姿勢が出来上がると土台となる体が安定するため、水中での動作の自由度が格段に向上します。
④ 中性浮力
水中姿勢で「体が安定する場所」がわかっているダイバーは、その安定した位置で呼吸をコントロールし、浮力を操ることができます。
逆に、水中姿勢が安定していない状態での呼吸は、体が回転するだけで上下方向のコントロールがうまくできません。
そのため、せっかく中性浮力の呼吸のタイミングがわかっても、上手く中性浮力が取れなくなってしまいます。
体が安定した状態で、どのタイミングで吸ったり吐いたりすればいいのかが分かってくると、メキメキと上達します。
⑤ フィンワーク
水中姿勢が安定し、水深をコントロールする中性浮力が取れていれば、あとは「足をどうやって動かすか」だけをひたすら練習するだけで、フィンワークは簡単に上達します。
フィンワークが上達しにくい一番の原因は、以下のような悪循環に陥ってしまうことにあります。
体が不安定なまま、正しいフィンワークの動きをしようとする
不安定なため、フィンを動かしただけで姿勢が崩れる
その崩れた姿勢を調整するために、また余計にフィンを動かす
このように、姿勢が定まらないまま足を動かすと、いつまでも正しいフィンワークが身につかないというループで成長が停滞します。
正しい水中姿勢と中性浮力が揃っていれば、フィンワークの動きを理解した時点で簡単に習得できます。
2. ファンダイビングの中でしか練習できない人向け(現実的ルート)
ファンダイビングを繰り返していく中で練習していく方は、まずは「ファンダイビングの流れを邪魔しない」を目標に、潜降・浮上とフィンワークで他のスキルをカバーするダイビングを身につけましょう。
最終的には正しい形へ修正していく必要がありますが、多くのダイバーはこのルートを通ります。
まずはファンダイビングについていけるようになることが大切です。
注意点としては、ファンダイビング中に自分で課題を持って潜っていかないと、本数だけが増えて全然上達しないなんてことにもなってしまいます。
【現実的ルートの順番】 [潜降・浮上① ➔ フィンワーク①] ➔ 適正ウエイト ➔ 潜降・浮上② ➔ 中性浮力① ➔ 水中姿勢 ➔ 中性浮力② ➔ フィンワーク②
※まずはどんな形であれ、ファンダイビングに参加できることを最優先した順序です。
潜降・浮上①
まずは多少のオーバーウエイトでもいいですので、「潜降できる」「急浮上しない」という、安全に潜降・浮上ができるレベルを目指しましょう。
耳抜きが追いつかないなどがないように十分注意しながら、出来れば潜降ロープを使って、途中で止まれるようにしながら潜降・浮上に慣れていきましょう。
フィンワーク①
とにかくフラッターキック(バタ足)で、「水深も保てるし、ある程度行きたい方向へ進めるようになる」をテーマにフィンワークを頑張りましょう。
この段階では「ジッとその場で止まる」「バタバタしない」などは出来なくて大丈夫です。
泳ぎ続けていれば姿勢もある程度保てますので、水深の維持だけしっかりできるようにしましょう。
適正ウエイト
とりあえずの潜降・浮上とフィンワークでダイビングに慣れたきたら、徐々にウエイトを適正ウエイトに変えていきます。
最初はオーバーウエイト気味になっていると思いますので、できれば1本ごとに500gずつ(アンクルウエイトを利用するなどして)ウエイトを減らし、ダイビング後半の安全停止中に浮いてこないウエイトを探していきます。
【※重要な注意点】 浅い水深に近づいたら、必ずガイドさんの近くに位置取りをしてください。
もし安全停止中や浅い水深に来たときに浮かされるようであれば、すぐにガイドさんにつかまり、ガイドさんから1kgウエイトを分けてもらうなどの対処をしましょう。
潜降・浮上②
適正ウエイトが見つけられたら、そのウエイトで潜降・浮上が安定して出来るように練習していきましょう。
「安全停止中に浮かされないウエイト」を持っているのに沈めない場合は、潜降スキルそのものに何か間違っている部分(排気不足や呼吸のタイミング、フィンが動いているなど)があります。
上手く沈めない場合は、とりあえずはロープを使って潜り、毎回のダイビングでスムーズに沈めるようになるまで練習を重ねましょう。
中性浮力①
まずは中層に浮いていられるように、BCDにしっかりと空気を入れます。
「若干浮ける」「呼吸を吸うと水深が上がって、吐くと沈む」という感覚を掴みましょう。「常にフィンキックをしていないと徐々に沈んでくる」くらいの中性浮力をまずは身につけます。
水中姿勢
この段階では、水中での姿勢が講習(オープンウォーターなど)のときの垂直に近い状態のままになっているはずです。
ここから水平トリムがとりやすいように、タンクの位置やウエイトの位置の調整を行っていきましょう。ガイドさんに相談して、ウエイトを徐々に上の位置に分散させていくのがおすすめです。
中性浮力②
水中姿勢が安定するようになると、フィンを動かさなくても、呼吸で吸ったり吐いたりするだけで水深をコントロールできるようになります。 あとは呼吸のタイミングを合わせることで、いわゆる「ホバリング(ピタッと水中で止まる状態)」ができるようになっていきます。
フィンワーク②
体が安定し、中性浮力もコントロールできるようになったら、あおり足(カエル足)など、フラッターキック以外の効率的な蹴り方を覚えていきましょう。 正しいフィンワークが行えるようになると、体力の消費も劇的に減るため、エアの持ちも格段に良くなっていきます。
まとめ
練習環境がある方は、「適正ウエイト ➔ 潜降・浮上 ➔ 水中姿勢 ➔ 中性浮力 ➔ フィンワーク」の順番で地道に練習をしていくと、中級者レベルまですいすいっと上達していけるはずです。
しかし、練習にじっくり付き合ってくれるショップとのつながりがないなど、練習環境がない方は、現実的にはファンダイビングの中で上達していくしかありません。
その場合は、「[潜降・浮上① ➔ フィンワーク①] ➔ 適正ウエイト ➔ 潜降・浮上② ➔ 中性浮力① ➔ 水中姿勢 ➔ 中性浮力② ➔ フィンワーク②」というルートを意識してみてください。
練習環境がある方が経験本数が少なくても圧倒的に早く上達しますが、いまのダイビング業界の構造上、少人数の「練習のためのダイビング」はビジネスモデル的に提供が難しいことが多いのも事実です。
そのため、多くの方がファンダイビングの中で地道に練習を重ねていくことになります。
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西伊豆(獅子浜)を拠点に練習専門ガイドを行っており、浜松~沼津までの1号線沿いや沼津駅までの無料ピックアップも行っております。
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