こんにちは!西伊豆・獅子浜を拠点に活動している、練習専門ダイビングガイド『ボイヤンシー』の佐野です。
ダイビング器材を購入してから、約1年。そろそろオーバーホール(OH)をしなくちゃいけない時期だけど、「どこに出せばいいの?」「いくらかかるの?」と不安を感じている方も多いはず。
今回は、レギュレーターやBCDのオーバーホールについて、賢く進めるポイントを解説します!
オーバーホールの目安
一般的に、どこのメーカーでも推奨されているのは「最終メンテナンスから1年、もしくは100本潜った段階」です。
メーカー側も多少のゆとりを持たせているはずなので、1日でも過ぎたら即故障というわけではありません。
しかし、特にレギュレーターは命に直結します。
トラブルが起こってからでは遅いので、安全に余裕を持たせた「推奨サイクル」での実施を強くおすすめします。
BCDのオーバーホール
BCDに関しては、穴あきなどがなければ「パワーインフレーター(吸排気部分)」の洗浄・点検がメインとなります。
レギュレーターに比べると、BCDの不具合(給気が止まらないなど)は「中圧ホースを抜く」「口で空気を入れる(オーラル給気)」といったスキルで対処できることが多いため、そこまで神経質になる必要はありません。
ただし、「塩噛み」で給気が止まらなくなるトラブルは海で非常によく見かけます。
もしメンテナンスを節約するのであれば、「トラブルへの対処スキルが身についていること」が絶対条件です。
※注意: オクトパス一体型のインフレーターの場合は、レギュレーターと同じ精密な扱いが必要です。レギュレーターと同じタイミングで必ずOHに出しましょう。
パーツ代が無料に?「ワランティ制度」を確認しよう
新品で購入した場合、特定の回数まで交換パーツ代(数千円〜1万円相当)が無料になる「ワランティ制度」を設けているメーカーがあります。
私は中古で購入しましたが、前のオーナーが大切にしていたワランティ書類が付いていたため、4回分の部品代が無料(工賃のみ)で済みました。
書類がある場合は、毎年なくさないように保管し、オーバーホール時に忘れずに添付しましょう!
何月にオーバーホールに出すのが正解?
多くのダイバーは「1年」の期限が先に来るはずです。ここで注意したいのが「OHに出すタイミング」です。
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混雑期(3月〜7月): 冬眠していたダイバーが夏に向けて一斉に出し始めるため、業者が非常に混み合います。
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狙い目の時期: オフシーズンや秋口など。
「納期ゆったりで安くなるプラン」を選ぶなら、混雑期は納期が大幅に遅れる可能性があるため、余裕を持って計画を立てましょう。
どこのお店にオーバーホールを出すのが良い?
一番悩むポイントですが、それぞれにメリットがあります。
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地元のダイビングショップ: 店舗を構えている分、料金はやや高めですが、返却後の微調整や不具合にもその場ですぐ対応してくれる「安心感」があります。
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インターネットのオーバーホールサービス: 器材を郵送する手間はありますが、料金が安い傾向にあります。
安くても「納期後3~6ヶ月以内は調整無料」などの保証がついている業者がほとんどです。
私自身もネット業者を利用していますが、今のところ不具合に当たったことはありません。
信頼できる業者を見つけたら、継続して利用するのがおすすめです。
OHにはいくらぐらいかかるの?
オーバーホールの総額は、「基本工賃」+「パーツ代(消耗品)」+「送料」の合計で決まります。
ネット業者の「納期ゆったりプラン」などを活用すれば、私の場合、フルセットで20,000円前後に収まることが多いです。
オーバーホール費用の目安(相場表)
| 器材の種類 | 基本工賃(1点あたり) | パーツ代の目安 | 備考 |
| レギュレーター(1st+2nd) | 9,000円 〜 13,000円 | 4,000円 〜 8,000円 | ワランティがあればパーツ代無料 |
| オクトパス | 3,000円 〜 5,000円 | 2,000円 〜 3,000円 | セット出しが一般的 |
| BCD(インフレーターのみ) | 2,000円 〜 4,000円 | 1,000円 〜 2,000円 | 通常の給排気タイプ |
| オクトパス一体型インフレーター | 5,000円 〜 8,000円 | 3,000円 〜 5,000円 | AIR2などの特殊タイプ |
| 残圧計(ゲージ) | 2,000円 〜 3,500円 | 1,000円前後 | 接続部の清掃・Oリング交換等 |
3~5年でホース交換を検討しましょう
OHの主な作業は、各ステージの清掃と内部消耗品の交換です。
ホース自体の劣化については、自分で判断して追加依頼する必要があります。
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交換の目安: ホースにひび割れがある、押すと一部がぐにゃっと柔らかい、など。
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リスク: 水中でのホース破裂は、メンテナンス不足の器材によくあるトラブルです。特に残圧計のホースが破裂すると、あっという間にエアがなくなるため、すぐに浮上を開始しなければなりません。
3〜5年を目安に交換が基本ですが、日頃から点検を行いましょう。
セカンドステージのホースは自分で交換も可能ですが、不安な場合はOHの際に一緒に依頼するのが一番確実です。
重要:オーバーホール直後のトラブルに備えよう
「オーバーホールしたから今が一番安全」と過信するのは禁物です。
OHは人間が分解洗浄する作業であり、部品の初期不良の可能性もゼロではありません。
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最初の数本は「慣らし期間」: OH直後の器材で、不慣れな海や流れの強いドリフトダイビングにいきなり参加するのはやめましょう。
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周囲への共有: ガイドやバディに「OH明けの1本目です」と伝えておくだけで、万が一の際の対応がスムーズになります。
まとめ
大切な器材を「信じられる」状態で使うことは、安全で楽しいダイビングの第一歩です。
自分の潜る頻度や予算に合わせて、最適なオーバーホール計画を立ててくださいね。
ボイヤンシーの「スキルアップ・プラクティス」では、万が一の器材トラブルにも慌てないスキルを身につけ、お持ちの器材を本当の「身体の一部」にするためのお手伝いをしています。

